先日のコマクサハイキングツアーでは、カモシカウオッチングを行いました。嬬恋村は、カモシカが、よくみられる地域です。ニホンジカとニホンカモシカは、ともに“シカ”という名がつきますが、ニホンカモシカはウシのなかまです。生活の様子も少し違っています。 |
カモシカは、生きた化石ともいわれます。昭和30年に国の特別天然記念物に指定されました。やっと保護の手がさしのべられたと思っていると、最近では植林木をあらす害獣として駆除される地域さえでてきました。シカの名がつきますが、実はウシのなかまで温和でおとなしい動物です。 |
カモシカは鹿ちがってなわばりを持ち、きまった範囲の中で生活しています。食物は木の葉や小枝・草などですが食物の多い地域と少ない地域では、なわばりの大きさがちがいます。アルプスのように冬期間のえさの確保が容易でない所では、広大ななわばりが必要になります。ところで、このカモシカですが、嬬恋村では大変増えてきていまして国道144あたりでもたいへん多く見られるようになりました。 |
ちなみにカモシカは、日本にだけ住んでいる珍しい動物です。首をかしげて岩場に立つ姿から「山の哲学者」といわれています。そのせいか集団の生活はしません。親子の単位で約1〜2キロ平方の範囲で行動しています。秋に交尾し春に出産し1年間は子供を連れていますが、2年目より親から離れて行動します。 |
よく食べる餌は、植物性(草食性)のものが多く、シャシャンボ、オオカメノキ、イヌガ、イヌツゲ、カヤ、ウラハグサ、コメツガ、スギ、アオキ、アスナロなどの多肉性葉植物を常食とします。写真のカモシカは、コマクサしかない白根山でウロウロしていましたから、ひょっとしたらコマクサを食べていたのかもしれません。 |