本白根山ハイキング&コマクサウオッチングツアー
7月27日、本白根山にコマクサを見に行きました。
白根山は、群馬県北西部、長野県境付近にある、那須(なす)火山帯の活火山で標高2150メートルもあります。日光白根に対して、草津白根とよびます。その隣に本白根山(2165メートル)があるのですが、そこの火口に世界最大のコマクサ畑があります。
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コマクサ&バードウォッチング
今回は鳥に詳しい方が参加してくれました。10倍の望遠鏡を見せて頂き、ウグイスやホシガラスを観察しました。この本白根山は、ウグイスの多い所で有名です。ウグイスといえば「梅」ですけれど、嬬恋村では、ウグイスといえば本白根山なんです。
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コマクサ
本白根山にはコマクサの大群落があります。面積・密度とも日本有数です。花のピークは若干過ぎていましたが、数多くのコマクサを堪能しました。
コマクサの咲き乱れる様を見ようとしたら、八ケ岳や北アルプス等の高山でしか見れないと思っている人が多くないですか。違うんです。本白根山こそは、世界最大のコマクサ畑があるんですね。いってびっくりです。大群落に驚嘆の声をあげることまちがいないです。
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お昼ごはん
ちなこにコマクサとは、駒草と書くケシ科の高山植物です。高さ5〜15センチの可憐な花なんですが、1メートルにも及ぶ根を地下におろします。花の形が馬の頭に似ているところから駒草の名がつきました。アルカロイドを含み、木曽地方では古くから薬草として利用されてきました。それだけに盗掘がさかんで、一時期は絶滅寸前にもなりました。
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コマクサの咲く火口
ちなみにコマクサは、高山植物の女王と呼ばれています。他の植物が生きていけないような砂礫地に咲くためです。つまりコマクサは、高山植物の中でも最も厳しい環境に生える高山植物なんですよね。
ほかの植物がとても生活できないような砂礫地にだけ生えるのです。絶えず強風が吹いたり、ガラガラと崩れやすいところ、また凍結融解によって砂や礫が動く構造土などに点々と群落をつくることが多いのです。このような厳しい環境に耐えていけるのは、細いしなやかな根が地中に深くもぐり、地上部からは考えられないほど広くのびているからです。
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コマクサの咲く斜面
こんな斜面にも、コマクサは咲いています。ところでコマクサは高山植物の中の先駆植物といわれています。先駆植物とは、何も生育していない土地に最初に根づく植物のことです。そして、そこの土地の養分が豊かになると、やがて他の植物に譲り、別の土地に移転します。さすが高山植物の女王ですね。これが女王の生き方なのですね。
そして、花が終わり、果実が熟す頃に花茎も枯れます。高山に冬の到来を告げる風が吹くとコマクサの花茎は根元から折れ、風のまにまに砂礫地をころがっていきます。そのとき種子もばらまかれるのです。なんだか不思議な女王ですね。
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湯ノ花旅館
万座温泉で一番泉質のいい湯ノ花旅館の温泉に入った後、囲炉裏端でのひとときです。
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