8月25日は、池の平湿原ツアーでした。もうこの頃は、秋の風が吹き、虫たちの活動も活発で、池の平に秋の空気が充てんされつつありました。
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8/25池の平2
赤とんぼですね。赤とんぼの童謡は、日本人の心をくすぐりますね。そのせいか赤とんぼをみかけると何か旅愁を感じてしまいます。秋の景色には、とんぼの姿は欠かせないものです。幼い頃の見た赤とんぼ。とんぼが空一面、群集でやって来る。暑い夏を涼しい高地で過ごし、しだいに赤くなり赤とんぼに成長し、秋になると里におりてきます。
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8/25池の平3
トンボは多くの場合、一つの池で何代も同じ家系が続くと言うことはあり得ません。あるていど血が混じらないと繁殖しないのです。一つの池が良い環境を長年保っていても、そこからそんなに遠くないところ(具体的には数キロ以内)に同様に良い環境の池がなかったら、極端な話トンボはその池でしか子孫を残せなくなり、血は濃くなっていき、遺伝子的に弱い個体群になって、やがては滅亡してしまうのです。
また、大量の池がって、移動条件も備わっている地域でも外来魚、ブラックバス、ブルーギルによって、相当な数の稚魚や水生生物が被害にあったりします。そして恐ろしい事に彼らは、空飛ぶトンボまで食べます。
トンボの雄は、雌を待つ間、一定の広さの空間を占有して飛び回って縄張りを主張します。そして空中の一点で停滞して、辺りをさがします。そこをバスに食べられるわけです。つまり、バスが、トンボを絶滅に追いやっているわけですね。産卵中の雌も絶好の餌食です。あるデータによると、よく晴れた日には、10日で一万匹のトンボがバスに食べられるということです。話半分としても凄い数ですね。これだけ食べられてしまっては、さすがのトンボも生き延びてはいけません。
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8/25池の平4
スポーツフィッシングを楽しもうと軽い気持ちで放流したバスは、信じられないスピードで繁殖を繰り返し、全国の至る所の池ではびこり、バスのいる池には、他の生き物は殆ど棲んでいません。いままでいなかった生物が繁殖してくるわけですから、元からいた他の生き物は、経験的防衛手段を持ちません。そのため、なんの抵抗をするすべもなく、彼らに食べ尽くされて絶滅してしまうのです。信じがたい話ですが、これがいまの日本各地の池や沼で起こっている現実です。日本から赤とんぼが消える日。そしてバスのみが生き残り、釣り師だけが高笑いする日は、そう遠くないのかもしれません。私たちは、もっと真剣に考えなければならないのかも知れません。
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8/25池の平5
秋の高原。といえばマツムシソウです。松虫の鳴く頃に咲くことからマツムシソウの名前が付いたとのことですが、楚々とした可憐な花です。高原のたたずまいが濃い色から一変して青味がかかった淡紫色のマツムシソウに変わり、8月中旬から9月末まで咲き続けます。そして、この花は、時期によって姿を変えるんですね。同じ花でも全く違う姿が見られるんですよ。
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8/25池の平6
秋の七草で有名な撫子(なでしこ)です。大和撫子(やまとなでしこ)といえば可愛い日本女性を言う言葉ですが、最近は少なくなってきたといわれるのは「人」の方ですかね? 「花」の方ですかね?
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8/25池の平7
集合写真。一期一会の一瞬の出会いを記録したこの写真は、人物や風景を撮影したというよりも、時間を撮影したようなものです。いつか、皆さんが、この写真に懐かしい思い出をたどる時がくることがあるかもしれません。
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8/25池の平8
では、次の旅にでかけましょう。
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