篭ノ登山登山 9/07編
今回は、篭ノ登山(かごのとやま)の紹介です。変わった名前ですが、篭ノ登山を登山する時は、篭ノ登山登山と書きます。しかし、決して「かごのとざんとざん」とは呼びません。「かごのとやまとざん」なのです。さて篭ノ登山ですが、なんと2227メートルもある山なんですが、いたく簡単に登れる山なのです。2000メートルを超す山頂へ、こんなに労せずして登ってしまってよいものかと戸惑うくらいです。
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名前の由来
篭ノ登山という不思議な名前の由来ですが、かつて山が信仰の対象であった頃、天に最も近いところという意味から「加護の塔」(神の力を授かる高い場所)と名付けられたともいわれます。日本は昔から、信仰の為に山に登る人が多かったせいか、どんな山にでも祠がありますね。山に登る事でたくさんのエネルギーをもらっていたのでしょう。この由来を聞くと、篭ノ登山からは、エネルギーがたくさんいただけそうですね。
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ガンコウラン
篭ノ登山ツアーが行われた9月7日は、登山道の脇に、実にたくさんの木の実がなっていました。ガンコウラン、クロマメノキ、コケモモ、シラタマノキなどです。どれも、つつじ科の小低木です。高さは10-25センチほどしかないので、見過ごしてしまいがちですが、花の季節には、小さくて繊細な花々が地面を覆って実にきれいです。花もいいですが、この時期はおいしい実がなる季節。視覚・聴覚・味覚の三つを味わえる特別な季節です。
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クロマメノキ
これは、「クロマメノキ」です。別名は浅間ベリー。ブルーベリーの仲間のひとつです。ブルーベリーと言うと、外国を想像してしまいますが、日本には、なんと19種類ものブルーベリーが自生しているのです。なかには「シャシャンボ」なんていうユニークな名前のブルーベリーもあります。漢字で書くと「小小ん坊」。果実が小さいのでこの名がついたそうです。みんなで秋の味覚をすこしだけいただきました。ここは国立公園内なので、もちろん採取は禁止されていますが、登山で疲れた体を一瞬癒してくれた浅間ベリーでした。
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白玉の木
山頂でちょっと休憩。そこでもおもしろい実をみつけました。「白玉の木」です。和菓子のしらたまをかなり小さくしたような丸い実で、アカモノと呼ばれるイワハゼに対比されて、シロモノとも呼ばれています。この実はちょっとしたアロマテラピーになるのです。実をつぶして香りをかぐと、サロメチールの匂いが。なんとなく、足の疲れも癒されるような気がするのは私だけでしょうか? 白い実は、じつは萼なんだそうで、本当の実はその中に隠れています。木陰にこのシラタマノキの実が鳴っていると、小さい星が瞬いているようで、とてもかわいいです。
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マイナスイオン登山
山の中に入るとなんだか空気がおいしく感じられますよね。逆に都会の人込の中で空気が重いと感じたこともあると思います。一体、何が違うのでしょう? ちなみに、酸素の量は、都会でも21パーセント、大自然の中でも21パーセントと変わらないそうです。 都会の空気と自然の空気について、ある実験結果が紹介されていました。これによると都会で測定された空気中のマイナスイオンは約80個、これに対して自然のなかのマイナスイオンは約2500個という結果でした。なぜ山の中にマイナスイオンが多いかというと、森林の地面には水分が多く含まれていて、その地面から水分が蒸発しているため常にマイナスイオンが湧き出ているのだそうです。ちなみに森林のマイナスイオンの数は一立方センチメートル中、約2800個です。これは、都会の空気の約35倍にあたります。空気がおいしいのは気のせいだけではなかったのですね。
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