根子岳登山
9月14日。今日のツアーは根子岳の登山です。「ねこだけ」と読みます。私ははじめ、「猫岳」だと思っていて、なんだかかわいらしい名前だなぁ、と思っていました。隣にある四阿山と対にすると猫の耳のように見える事から「根子岳」と名付けられているそうなので「猫」ともやはり関係の深い山なのですね。
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花の百名山
根子岳は気持ちのいい草原の山です。隣の四阿山は「日本百名山」で、根子岳は「花の百名山」なのです。隣り合っていながらも、ガラッとタイプの違う、面白い山です。たくさんのマツムシソウが咲いていました。
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猫と山
日本には猫に関係のある山がたくさんあります。猫がつく地名のあるところには、化け猫伝説が多いですね。ほかにも、「日本百名山」の1番目に出てくる北海道の利尻山には、春になると猫の顔の雪形が現れ、ニシン漁の目安となったそうです。 また、埼玉県の城峯山にある城峯神社には、天保年間に奉納された狛犬ならぬ、狛猫があるそうです。見てみたいですね。
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阿蘇の根子岳
そういえば、阿蘇にも根子岳(猫岳)がありました。阿蘇の猫伝説はおもしろいです。ここは、猫が修行にでかける山なのだそうです。猫岳参りする猫は、 (1)年を経た猫、 (2)7歳になった雄猫、 (3)大きな猫で特に1貫目(3.75kg)になった場合、 などがあります。九州中から集まるため、遠いところからは火の玉のように飛んでいったとそうです。修行期間は3日間から半年までと幅がありますが、一度猫岳に登れば口が耳までさけ、尾が二またとなったり、恐ろしい面相となります。戻ったとき耳がさけているのは、免許皆伝のしるしに耳たぶをかみわってもらうからなのだといいます。 また、修行を終えると里に戻って化け猫としてのワザを披露することがあるそうです。陽気な猫なら、手ぬぐいをくわえて踊り出し、おとなしい猫なら、障子をそろりと開け閉めするそうな。 そういえば、親戚が飼っていた猫も障子を開ける特技を持っていました。彼はもう猫岳まいりをすませていたのでしょうか。
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どんぐりと山猫
のんびりと緑の草原を歩いていると、宮沢賢治の「どんぐりと山猫」のお話を思い出しました。
「そのとき、一郎は、足もとでパチパチ塩のはぜるやうな、音をきゝました。びつくりして屈んで見ますと、草のなかに、あつちにもこつちにも、黄金いろの円いものが、ぴかぴかひかつてゐるのでした。よくみると、みんなそれは赤いずぼんをはいたどんぐりで、もうその数ときたら、三百でも利かないやうでした。わあわあわあわあ、みんななにか云つてゐるのです。」
山猫とどんぐり達の裁判は、きっとこんな緑の草原の中で行われたのではないでしょうか? 黄金のどんぐり達のように草原はきらきらひかっています。
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根子岳山頂
やっと山頂に到着です。山頂でのお昼ごはんは何を食べてもおいしいです。ちょっと眠たくなってきました。 けれど、取り残されたら大変です。何しろ、根子岳で修行を終えた猫は、道に迷った旅人をまどわして下働きの猫に変えてしまうそうですから。
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