暮坂峠

　日本ロマンチック街道沿線にあたり、六合村と中之条町を結ぶ情緒たっぷりの峠です。標高１０８６メートルの頂上には暮坂峠道祖神が並び、大正時代の歌人、若山牧水が大正１１（１９２２）年に長野県から浅間・草津を経てこの地を訪れたときに作った「枯野の旅」の詩碑が立っています。

　日光へ向かう旅のあらましは『みなかみ紀行』として発表され、傍らにたたずむ旅人姿の牧水の銅像を眺めていると、文学的感慨が深まってきます。牧水旧道や暮坂峠遊歩道、また六合村側に下った野菜直売所から始まる牧水コースなど、真っ赤な色づきの中、のんびりウオーキングに汗を流すのもいいものです。

　観音堂や毘沙門堂、水車などが点在し、明治の家並みを今に残す赤岩集落、この山里に幕末に開国論を唱えて投獄された蘭学者の高野長英が、脱獄時にかくまわれていたといわれています。「六合赤岩温泉・長英かくれの湯」（0279-95-3335）は、長英にちなんで名付けられました。建物・浴槽ともバリアフリー構造のアルカリ性単純温泉です。

交通／国道２９２号を北上し、六合村役場を過ぎて右折、主要地方道中之条・草津線（５５号）を東に進む

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